伊トウ本式第3回公演「写真の神様」
さてさて今月のえんくらインタビューは、着々と公演の回数を重ねてどんどん先に進んでいく伊トウ本式!「写真の神様」は、伊藤勇剛さん(作・演出)の第1回企画公演の再演という話を小耳にはさんだので、これは何かあるな、と思い、新人2匹が稽古場にお邪魔させていただきました。稽古場では新しい台詞の補充もされ、前回の作品がさらにパワーアップしそうな雰囲気満載だった。なんといっても役者さんの質が高い!新人の目にはまぶしい稽古場でした。
さて、そんな伊トウ本式の第3回公演!いったいどんな形に仕上がっているのでしょうか。
なんで再演?
金:じゃあ、よろしくお願いします。
伊藤(以下伊):よろしくお願いします。
金:ではまず最初に、「写真の神様」は再演ということで、僕は前回のは見てないんですが、周りから色々な意味で面白い芝居だというをきいたんですよ。そこで、どうして伊トウ本式の第3回目の公演で、この「写真の神様」をやろうと思ったのか、再演の意味、もしくは狙いみたいなものがあったら教えてほしいんですが。
伊:はい。「写真の神様」は色々な意味で非常にタフな脚本なんですよ。
金:タフとはどういった意味で・・・
伊:一言でいえば、力の試される作品というか。役者に要求するものが非常に多くて。そこで、第3回目の公演ということで、今の自分たちがどれだけできるか、これからやってくる外小屋での公演に向けて、自分たちの力を試してみようという意味で「写真の神様」をやってみようと思いました。まあ、力試しですね。
金:伊トウ本式の修行の一環としてということで?
伊:・・・もちろんどの公演も修行には変わりはないんですが、もっと面白いものを作っていく上で、より高く飛べるステップになればいいなぁと思って・・・。
金:なるほど。じゃあ、前回との違いってありますかねぇ?人数も増えてるわけですし
伊:あります。前回は周りへの反発というのが強くて・・・芝居の面白さっていうのは、同じ空間が連続していてそれを観客と共有するっていうものなんだけど・・・周りにはそういった作品が少なくて。あまり言うとネタばれしてしまうんで言いませんが(笑)とにかく、周りの芝居にはない作品を作ったんです。で、前回のそういった良さを残しつつ、今回はさらに面白く、より多くの人たちに、より多くの色々なものをお見せする。
金:もっとパワーアップしてるぞと?
伊:はい。うーん、・・・いらない部分をそぎおとして、たっぷり脂ののった・・・霜降り!ですね、さらに霜降りがふえてお客様にお出ししますということです。
ヴィヴァッ!濃い人!!
金:伊トウ本式の公演は、実質4回目になるわけですが、これまで公演を打ってきて、稽古とかでも伊トウ本式自体に何か変化とかあったりしますか。例えばどんどん成長しているだとか・・・、そういった実感はありますか?
伊:うーん(考える)
金:これはできれば役者さんの意見も聞きたいんですが・・・
伊:じゃあ、まず僕からの意見として、役者さん、すごい面白い役者さんに、劇団を立ち上げることで、ますます出会えて、この人たちに最近は、面白い話を書かせてもらっているなあと思いますね。こんな台詞をしゃべらしたいとか、こんなことやらせてみたいとか・・・。面白い役者たちに最近は書かせてもらっているんだなあっていうのを、稽古とか芝居を重ねてきて実感してます。・・・ヴィヴァッ!濃い人!
金:濃い人!(笑)
伊:うん、濃い人大好き!
木下(以下木)うち、濃くないもんっ。
金:じゃあ、役者さんたちをみててどう思いますか?たとえば、瀬戸口さん(伊藤さんとは同期生)とはずっと一緒にやってきたわけですが、そういった人たちをみてどう変わっていってるとか。
伊:・・・昔の瀬戸口に比べて、(今の瀬戸口は)柱になれるというか、存在感がでてきた。昔は彼も言っていたんだけど、No.2とかの位置でひっかっきまわすにたいことを言っていたんですが、なんのなんの、今ではすっかり芝居の柱を任せられるようになりましたねえ。
金:はあ、なるほど。じゃあ、木下さんからは何かありますか?
木:うーん・・・
金:伊藤さんと一緒にやってきて自分の変化とか。
木:・・・昔より伊藤くんのやりたいことが、演出方法とかわかりやすくなった。なんか、より痛いところを突かれるから、求められているものと自分のできることの差がより明確になって・・・
金:伊藤さんの要求が大きくなってきた?
木:うーん・・・
金:・・・でも、それは裏を返せば、期待されているってことですよね?
木:そうなのかなあ。
伊:そうです!・・・最近はほんとに面白い役者と一緒にいて、もっと・・・なんだろう、いろいろやらせてみたいと思いますなあ。
本式は面白い?
木:でも、昔よりだいぶわかりやすくなったよね。
伊:何が?
木:芝居的にも、演出的にも。だって昔はなんかさあ、実験的なことをよくやってたじゃん。「映画ロボット」とか。
伊:うーん、そうだね。
木:なんかさ、エンターテイメントというのが一大目的になってからでる役者とか、演出とかわかりやすくなったよね。
伊:うーん。
金:伊トウ本式はこれからも基本的にはエンターテイメントで?
伊:・・・単純に、芝居を、面白い芝居を、ていねいに、ひとつひとつ確実に打ち続ける。で、うちにくれば必ず濃い人たちがおもしろ〜い芝居をしている。
金:濃い人たちがポイントですね(笑)
伊:そうです。
木:吉本!
伊:吉本はねー、うちのいちばん目立つとこかなあ。あー、でもこれ書くと誤解されるといけない。
木:そうだよー、変なお笑いかと思われる。・・・ネタじゃない面白さだよね。
金:役者の存在感とか?
伊・木:う〜ん・・・
木:役者もそうなんだけど、素材かつ間とか・・・なんかあれだよね、間とかそうだけど・・・
伊:うーん。
木:なんだろうね。うまく言えない。
伊:ここは新しく入った白神さんにきいてもらえば。
白神(以下白):え〜!?
木:ここで変なこと言ったらもう先はない。
白:はっはっは〜(笑)
木:これで、てんで的外れなこといったら面白くない。表情とか。
白:えー。・・・(考える)
金:・・・一緒にやってきてこの人たちのこういったところがいいなあとか感じたことでもいいんですけど。
伊:うまい質問の変え方だなあ。
木:さすが糸井だよね(笑)
伊:さすが糸井だ。
(注:インタビューアーは糸井重里に声と喋り方が似ているだそうです)
白:・・・間とか、やっぱ台詞の掛け合いとか・・・
木:さしさわりのないことをー。
白:えっへっへ〜(笑)
伊:な〜んじゃ、今のは(笑)
ご来場の諸注意
金:じゃあ、最後にお客様に向かって何かメッセージをお願いします。
伊:今回は、今回 も、これでもかこれでもかと、スペシャルに濃い連中がですね、でてくれているんで、・・・体調を整えてきてください。
一同:(笑)
金:お腹がよじれないようにということですか?
伊:なんか、胃がもたれている人とかはちょっときついぞと。って、こんなこといっていいのかなぁ・・・まあ、いっか(笑)
木:心臓が弱い人とかね。
金:万全の体調で来いということですね。
伊:そしたら、最高の舞台が観れる。
金:はい、わかりました(笑)。では、どうもありがとうございました。
伊:ありがとうございました。
稽古とインタビューを通して伝わってきたものは、役者を大切に思い、信頼している演出家さんと、それについていこうとする役者たちの理想的な劇団の雰囲気でした。伊藤さんの、「僕は役者さんに台本を書かせてもらっているだけ」と、何度も口にする姿が、本当に役者に対して信頼と愛情があるというのが伝わってきました。そして、自分たちが作っているモノへの絶対的な自信。自分たちの芝居は100%面白いと言い切れるところに、公演を重ねてきた伊トウ本式のプライドというか、自信があふれていた。
公演の日まであとわずか!舞台の上でいったいどんな濃い人たちが物語を繰り広げてくれるのでしょうか。もうこれは観るしかない!体調を整えて劇場にレッッゴー!!
→伊トウ本式ホームページ!
伊藤勇剛
演劇倶楽部13期
2000年度新人担当
過去、企画公演「写真の神様」、「旅の終わりは」、
「映画ロボットは振り返れば殴られ」の作・演出を手掛ける。
2001年「伊トウ本式」を旗上げ、主宰・作・演出として活躍。
第一回公演「破顔のヨーコとて」
第二回公演「加速する健康」
その他、宇宙マナー、INSTANT wifeなどの公演に出演。
木下珠紀
演劇倶楽部13期
伊トウ本式構成員
「写真の神様」「旅の終わりは」「映画ロボットは振り返れば殴られ」
「破顔のヨーコとて」「加速する健康」の全てに出演。
また、宇宙マナー、INSTANT wife、水性音楽に数多の出演。
企画公演の類には幾度となく出演。
インタビューアー・文 金暢彦 (演劇倶楽部17期)
写真 浅井紀洋 (演劇倶楽部17期)
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