はらぺこペンギン逆転劇インタビュー
今回が最後の早稲田での公演となったはらぺこペンギン。14人という過去最多の
キャストでの芝居。本番1週間前の稽古場にお邪魔した。
浜口、松谷(以下浜、松) 宜しくお願いします。
白坂、三原(以下白、三) お願いします。
浜 はらぺこですか?
白 ・・・いえ、別に。
三 それ、聞きたかったんだ。
浜 今回14人の役者さんということですが、大変ですよね。
三 まあ、大変だよね。でもいい稽古場だと思いますよ。多くて粗雑な感じでは決
してないね。
松 台本の書き分けとかが大変ってことは?
白 書くのはね、辛くはなかった。台本が進まないってことが今回はなかった。先
がずっと見えてた。圧倒的に僕の理想の男がいて、それを中心に書いてた。その男が
僕の憧れで、その周りが僕の分身。そういう意味では楽しかった。苦しんで書いたっ
てことはない。
浜 芝居のあらすじは?
白 喫茶店の話。
サスペンス?謎解き?人情劇
松 稽古を見てて、サスペンスかなと思ったんですが。
三 白坂の脚本の一つのスタイルとして謎解きがあるんだよね。序盤に結果を出し
て、まずそれを解釈してラストにもってくる。今回もそれを使ってはいる。
白 まあ、いろんな要素がある。サスペンスっぽいところも人情劇のところも。基
本的に人情劇。
三 兄弟の話なんですよ、これ。ぼくは姉二人とぼくなんですけど、やっぱりそれ
ぞれ仲いい悪いがあるじゃないですか?それを3話のオムニバスで進めていくみたい
な。
松 白坂さん、兄弟は?
白 僕は弟一人。兄弟に関する話は何もないです(←速攻)。憧れなんだろうね。
『一つ屋根の下』とか憧れるじゃん。
浜 ・・・。私は、別に。
白 一つ屋根の下の影響はうけてる(笑)。
三 初めの頃の駄目だしが、「君が江口、君が福山な、」っていう駄目だしだった
(笑)。まあ、その片鱗はもうないけどね。
松 今回あっちこっちにダンスがあるようですが。
白 すごくダンスダンスしたものはない。いままでは芝居のテイストに合ってない
ダンスを入れてたりしたけど、それより一歩踏み込んだものが出来てる。ダンスをや
りつつ、関係性やストーリーも見せれる、そういう意味でのダンス。ちょっと洗練さ
れてきたかな、とは思ってる。これは次回につながるものかな?と。
浜 今回のこだわりは?
白 やりたいことをやってるんだよね、僕は。あまり意識してないつもりだったけ
ど、やっぱり早稲田ラストってことは意識してるのかもしれない。今まで自分がやっ
てきたものの集大成的な意味がかなりあって、それを小さくまとめないで全部出して
る。今までの台本にあった要素を全て入れてる。それがオーバーワークぎみになって
るかどうかは見てもらったらいいと思う。お客さんの反応とかはよく分からないけ
ど、僕は僕のやりたいことをやってる。
こだわりと、早稲田最終であるという意識
浜 その結果としてキャストが14人?
白 まあ、そうだね。もともと今回は3本立てのようなテイストを取ってて、3人
主役がいて、それぞれの話がリンクしてくるという話をやってて、それで人が多く必
要になった。今回は余分なものがない。上演時間ギリギリの中に全ての要素が入って
いて、一つ一つの台詞はもうここまで削れないというところまできてる。うまくはま
れば面白いと思う。今ははまったりはまらなかったりだけど。
浜 今回早稲田最後ということはあまり意識してないのですか?
白 劇団としてはまだ2年しかやってないし、早稲田最終ということをそこまで意
識することもない。客演さんも早稲田じゃない人沢山いるし。でもまあ、早稲田最
終っていうのはどこかでは思ってる。自分達が悔いを残したくないというのはある。
今回に関しては上手くいけば評価されるだろうとは思います。でも今は他者の評価よ
り終わった時に自分達が満足出来るかがすごく大事。
浜 今回の役者さんたちはどんな人?
白 稽古始まったばっかりの時はバラバラで焦ったけど、全員芝居の枠を超えない
のに個性が出てる。毎回役者さんには助けられてる。
三 助けられてるね。
白 今回はコミュニケーションの上手い人と、個性を出せる人と両方がいてバラン
スが上手く保たれてる。
三 今回は僕は地味だと思うんですよ。
浜 三原さんの役がですか?
三 あ!僕の役はもう必見ですよ!ここ数年まずやったことのない役でやりごたえ
がある。まあ、それとはおいといて、話自体が地味。
白 う〜ん、地味ではないかな。でも、いままでなら、シーン自体がすごく派手
だったりしたものがあった。
三 そういったものを意識的に入れたりはしてない。そういう意味で地味。
まだ何も満足できていない!
浜 前回公演を終えたときはどんな気持ちでしたか?
白 まあ、周りからはある程度の評価を得て、劇団的には面白くなってきたとは言
われてるけど、劇団員にしてみれば何も満足できてない。ホントに細部の甘さがあっ
た。だから、今回は新しいものをつくったというより、余計なものをそぎ落とした。
意外と僕はこだわる人だったんだなと、最近発見した。妥協できなくなってる。早く
オンリー1になりたい。とっぴなものを作る気はないけど、余計な部分をそぎ落とし
て初めてうちの芝居を見に来るお客さんに楽しんでもらいたい。
浜 では、最後にお客さんに一言
三 胸を張ってやっていくと思うので、是非見に来てほしい。ほんとに面白い芝居
になってると思うんで。
白 これが今の実力だと思うんで、見に来てやってください。いいものになる自信
はあります。本番、とりあえず、見に来てください!
早稲田最終公演、周りのプレッシャー、気にしないとはいいつつお客さんになんとか
伝えようと何度も繰り返す稽古場は、本番まじかの緊張感と熱気があった。14人の
キャストが見せる小さな物語。10月1日から早稲田どらま館にて。