24期新人公演「わりと自由」 直前インタビュー!


夏も盛りを過ぎ、少しずつ秋の気配も感じようかという9月上旬、早稲田の町を涼しい夜風が吹きぬける。しかし、その頃学生会館では、24期新人7人と新人担当2人の熱い夏が、ますますヒートアップを続けていた。エンクラ新人訓練。そこに必ずドラマはある。春から彼らと向き合い続け、新人公演をいよいよ間近に控えた新人担当の三井、本山両氏に稽古後、23期寺島と福田がサイゼリヤでのインタビューを試みた。しかし稽古後の三井氏の空腹はサイゼリヤを拒否。我々は馬場歩きの末、ご飯お代わり自由の中華料理屋へとたどり着いたのであった。「格言を連発したい」と意気込む三井氏と天津飯の予想外の辛さに苦戦する本山氏にお話を伺った。


今年の新人は“ヤバい馬鹿”


―今年の新人はどうですか?
三井(ご飯を夢中で食べている)
本山「・・馬鹿だね。毎年馬鹿って言われるけど今年はいつもと意味合いが違う馬鹿なんだよね」
三井「ヤバい馬鹿」
本山「そうそう!“馬鹿になれ”とかの馬鹿じゃなくて本当に」
三井「ヤバい馬鹿」
本山「そうそう!」
三井「文キャン前に立て看を2つ置くような馬鹿(注:現在、文学部キャンパス前には新人が作成した新人公演告知の看板が同じ内容にも関わらず2枚連続で設置されるという衝撃の事態)」
本山「そうそう!」
三井「ヤバいよね」
本山「だからなんか小さい子に物を言うような感じだよね」
三井「そうそう!」

―そんな彼らが新人訓練を経て変わったなと思うことは?
三井(ご飯を夢中で食べている)
本山「・・・うーん何だろう・・・・」
三井「痩せた」
本山「痩せた痩せた!」
三井「スタイル良くなったよね」
―他には?
本山「最近ちょっとエンクラの新人っぽくなってきた」
三井「自発的になったよね」
本山「ずっともっと熱くならないかなって思ってたんだよね。肉体訓練のときもどこか限界にたどり着けない感じがあって」
三井「限界の手前で疲れたフリしちゃうんだよね」
本山「でも最近はね」
―変わってきた?
本山「まだまだだけど、がむしゃら感は出てきた」
三井「自分たちで行こうっていう意識が強くなってきた」
本山「最初は甘ったれだったよね。本当に甘ったれだった」

 その後、本山氏の涙、三井氏の感動、2人の厳しさと新人たちの熱意にまつわるエピソードの数々が披露される。深く聞き入る寺島と福田。

三井「・・そこで俺が山田さん(注:22期の新人担当)の名言『もう君たちには期待しかしてませんから』っていうのをパクって言っちゃってね」
本山「最悪だよ!」
一同(爆笑)
本山「だから結局大事件を起こさないと変わらないんじゃないかっていうのがあってね」
三井「でも結局全員の『コイツ面白いな』っていう瞬間に出会えたから」
本山「うん」




今年のスタイルは“応援”


―新人担当をやるにあたっての方針は?
本山「今年は応援したね。もう少しで何かが出てきそうな奴がいたら『頑張れ頑張れ!』って」
三井「もう少しで変われるよ!って」
本山「まだ足りねえよ!って」
三井「俺は台本稽古入ってからは基本応援スタイルでやってるから」
本山「そこは例年と違うと思う。新人から何か出てくるのを待つのでも、こうしろ!って言うのでもなくて、一緒に作る感じ」
三井「一緒に悩んだりするからね。『ここどうしたいの?』って」
本山「最初は例年の新人訓練と比べてどうっていうのを結構気にしてた部分もあったけど、新人と向き合ううちに自然と自分たちのスタイルができてきた」
三井「結局俺らの性質でもあるんだよね」
本山「うん」
三井「最初にね、2人でそれぞれ目標をノートに書いてきたんだよね、“メモ帳のキセキ”」
本山「そうそう。そしたら2人の書いてることがほとんど一緒だったんだよね、“メモ帳のキセキ”」
三井「もっちゃんは『個性』って書いて俺は『武器』って書いてきた。結局は同じものなんだよね」
本山「それで私が最終目標としてたどり着いたのが“ほとばしる”」
―ほとばしる?
本山「誰にでもあるんだよね、輝いてる瞬間って。福田だったら哀しげな顔してたときだよね」
三井「福田の武器は悲壮感だね(笑)」
本山「新人訓練で得たものを発揮してるとき」
三井「結局新人訓練のうちに武器を作っておかないと、これから先荒野に出て行くようなものだからね。戦いのアイテムを作らないとね」
福田「おっ」
三井「あっ今の格言じゃない?」



―それでは新人へのメッセージをお願いします
2人「うーん・・・」
三井「言いたいことは毎日の稽古で言ってるからなあ・・」

 大いに悩む2人。ふいに新人の笑顔がかわいいという話で盛り上がる。

―メッセージは?
2人「うーん・・・」
三井「諦めたらそこで・・・ダメだ!ダメだ!被っちゃう!(注:山田さんと)」
一同(笑)
本山「逃げちゃだめだ。神話になれ!」
一同(笑)
本山「でも最近逃げなくなってきたからね」
三井「でも本当に新人公演までは諦めないで欲しいね」
本山「今一生懸命になれないと今後何にもなれないからね」

―最後に新人公演を観に来るお客さんに向けてメッセージをお願いします
2人「うーん・・・」
本山「プロレスの話です」
三井「あなたは・・伝説の・・目撃・・みたいなダメだ!ダメだ!」
本山「今回スローガンは『個性・愛・熱』なんだよね」
三井「愛だね」
本山「プロレスって愛だよね」
三井「愛しさと切なさと心強さ!愛しいし、切なさあるし!」
本山「心強さは?」
三井「・・・・みんな心強いじゃん」
本山「何が?」
一同(爆笑)
本山「観に来てください!とにかく彼らを見てほしい!」
三井「そうだね!」
本山「世の中にはこういう人たちがいるんだ、くだらないことをこんなに一生懸命にやってる人たちがいるんだっていうことを見てほしい!不景気だし!・・これだ!」
―ありがとうございました!




(24期新人担当 左、三井翔太/右、本山歩)


終始笑顔の絶えない2人。ここには掲載できないエピソードも多く残念だが、我々は2人と7人、合わせて9人の絆を強く強く感じたのであった。満足した胃を抱えて中華料理屋から出ると、秋の風はさらに冷たくなっていた。それでも9人の夏はまだまだ終わらない。 早稲田大学演劇倶楽部24期新人公演「わりと自由」、ご期待ください。

(文責:寺島功毅)