「カウンター」インタビュー

 

今回で3回目の企画公演=作・演出となる『カウンター』。

これまでの公演を見て、今まで気になっていたこと、そして今日稽古を見せてもらい、思ったことをぶつけてみた。

 

 

----まずー、ですね、まあいわゆる、あれじゃないですか、リアルさを追い求めてる劇だと思うんですけど、

武内(以下武)「まあ、ある意味そうですね。」

----違う部分もあるんだけど、もちろん。

武「ええ」

----で、武内君の中で『リアル』っていうのはどういうことなのか聞きたいな、と。

武「しょっぱなからすごい質問ですねえ。・・・・・うーん、・・・・・手段ですね。」

----手段?

武「僕にとって『リアル』は手段でしかなくて結局見せたいのは、最終的に、物語なんですよ。で、それを生かすために『リアル』が存在してる」

----あー、

武「ていう形ですね、僕は。だから、雰囲気だとか、会話のリアルさとかを見せたいっていうのは手段でしかなくて、その手段を使って最終的に物語を見せていけたら、っていう。

だからすごい、大げさな展開だとか大げさな台詞があるような、(例えば)「それ・・・一体何!!?」「これはこうなんだよ!!」「うわあ!!」

----はっはは

武「みたいな、そういう展開がすごいイヤで、」

----そういうのを全部、『リアル』という壁で

武「そうですね、」

----塗りこめて、

武「出来事をリアルにとらえていきたい、」

----うん

武「ですかね。」

----・・・出来事、

武「・・・ある出来事があったとしたら、それをなんか、自然にとらえていきたいっていうか、自然な感情でとらえていきたい、それが『リアル』ですね、オレにとって。・・・だから、もうちょっとリアルに、って言う時は大体そういう意味で使ってますね。」

----うんうん

武「演出の時とか。」

----・・・要は、普通の、というか、一般的な、それがホントにおきたらどうなるか

武「はいはい」

----っていうような感情をちゃんと

武「そうですね」

----ってことだよね。

武「だから、やっぱり、多少芝居っぽさはとれないんですけど、」

----うんうん

武「別にそれはなんか、・・・物語があるからしょうがないよね、っていうふうにとらえてるんですけど。」

----あー、でもどうなんだろう。・・・すごいね、武内君の言うことはよくわかって、・・・もう一つ、聞きたかったのがね、『ドラマ』をやりたいっていうのは(今まで見てきて)わかるんですよ。

武「はいはい」

----で、前回の、夜光は・・・なんか、(戯曲的に)過剰な感じがして

武「はい、それはそうですね。」

----ドラマ、物語性、ストーリーを前面に押し出すかんじがして。・・・それを、『リアルさ』みたいので塗りこめないと『ドラマ』っていうのは難しいとおもうんだけど。

武「そうですねー。でもあれはあれでやりたかったことなんですよ。・・・たぶん、カウンターは、夜光とトラジックコミック(※武内の初企画公演名)の中間だと思うんですよ、僕は。

----トラジックコミックは、確かに、ドラマ、というかんじではなかったね。・・・いや、難しいですよね?ドラマやるのって。と思って。

武「難しいですね。すごい難しいですね。だから毎回悩んでますね。・・・
難しいからやっちゃう、っていうわけじゃないんですけど・・・ドラマがやりたいってのはずっと変わらないんじゃないかな、と。・・・どうしても、物語がやりたい。

----うん。

武「なんか、ある程度のリアルさでいいんじゃないかなと思って。素まで行かなくていいだろ、とは感じます。」

----だから、観客がそれを、

武「見て」

----信じれる、嘘だなって、嘘クサイなって思ったりとかしなければいいってことだよね

武「そうですね。あの、一応なんか、受け止められるレベルのギリギリ限界までのリアルさでいいんじゃないかなって。」

----でもそのラインってすごいねー、

武「難しいんですよねー。」

----『カウンター』というタイトルは、何ですか?

武「『カウンター』って、この芝居じゃなくてもつけられるタイトルだと思ってるんですよ、俺は。

----うん

武「自分の芝居、自分の書いたものは全部カウンターなんじゃないかって。」

----カウンターって

武「結局、僕がカウンターって言いたいものは、人間関係の中で起こる、カウンターなんですよね。(インタビュアー、殴るジェスチャー)・・・パンチとかじゃなくて。」

----でもイメージとしては、『かえす』。

武「『かえす』ってことですよ。」

----ていうことでしょう。

武「それを、思わぬ形でかえされたりとか。よくあるじゃないですか。例えば山本さんとしゃべってて、ぼくがなんかいって、それを思わぬ形でかえされて、『うっ』って、ちょっとドキッてするというか。ビクッてするみたいな。そういうのが『カウンター』なんですよ、僕にとって。そういう意味でつけたんですけど。

----ああ

武「今回、僕的には、(公演としての)『カウンター』をターニングポイントにしたかったってのはありますね、多分。

----ああー

武「ホントに、どの芝居でもつけられるタイトルをつけてしまったってことにすごい責任を感じてて。自分で。」

----・・・要は、こう自分の、骨の髄というか、

武「そうですね」

----シンが詰まった、

武「というかもう、最終的にやりたいものをタイトルにしてしまったっていう

----ここでガツンと見せてやるぞ、っていう意気込みが詰まった。

武「そこまでいわれると、プレッシャーになってくるんですけど・・・」

----はは

武「でも、自分のやりたいことは、詰まってると思います。というか、確認できたんじゃないかな。

武「演出と役者っていう関係の中でもカウンターはおきてますね。今まで(の公演で)もおきてきたんですけど。(インタビュアー、自分のコブシとコブシをぶつける仕草)・・・なんですか、今の?

----ぶつかりあい。

武「ああ、ぶつかりあいじゃないんですけど、ただ、ぼくが考えつかないようなことを言ってきたり、

----やってきたり

武「するんですよ。それっていうのは楽しいですよね。ていうか幸せですよね。

----そう、稽古を見ててもむこう(役者)からなんかやってくるな、出してくるな、って感じがしましたね。

武「カウンターの意味をいろんなところに見いだしてる公演なんですけど。

・・・でも、今回はホント、役者さんの力を知りましたね。その、やっぱり、カウンターっていう話なんですけど。役が出てるというか。

----出てくる?

武「脚本の中に、存在してるわけじゃないですか、『役』が。『人』が。それが抜け出てくる感覚っていうのを今回初めて味わって。つまり、この脚本の中の役だったのに、『そこにいるじゃん』ていう感覚がきたことが何度かあって、正直、すごかったですね。並の感動じゃなかったですよ。だって、作り物の役じゃないですか、どう考えたって。僕が作り出した役じゃないですか。それがそこにちゃんといる、存在しているように見えることがあって。」

もうだいぶ、お客さんにここを見て欲しいって言うのは言ってると思うんですが、

武「え、そうですか?」

----言ってる。すごい言ってる。まあ、あえてみどころというか、強調したいことがあれば。

「まあ、やっぱり、物語の中における、人間関係をみてほしいなと。その役を見て欲しいなと。

----役と役の、カウンターを

武「カウンターを、見て欲しいな、と思っております。」

----・・・以上でよろしいでしょうか。

武「え、・・・終わっちゃうんですか。まだ話したりないんですけど。」



インタビューを終えて

すごく真摯に「芝居」というものを考えて、どうしたら面白いか、というのを計算して、したたかにそれを行っているような印象を受けた。1年半前の3月、武内君の1回目の企画公演、「トラジックコミック」でインタビューをしたときは、未だすごく曖昧で、「とりあえず、やってみる」という感じだったのだけれど、今はすごく、自分のやりたいことが明確になっている感じがする。そしてそれをどうしたら実現できるのか、というのも。

この後、「3本目の演出だけど、武内君の中でどういう変化があるか。」という質問に対し、「今回は、一番変われた公演なんじゃないかな、と、まだ終わってないんですけど、思います。」と答えてくれた。

ただ純粋に、公演が楽しみである。


文責 山本雅幸(15期)



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